こじらせ母の育児と育自

高齢出産のち、2歳差姉弟の育児。

合縁奇縁

さて、晴れてモンママの呪縛から解放されたとはいえ、私は若干人付き合いに嫌気が差していた。
かといって、家に母娘2人こもるのも気詰まり。丁度ファーストシューズを買ったばかりだったので、とりあえず靴に慣らすためにアパートの敷地で外遊びをすることにした。
私と2人、転がってる石ころや落ち葉を拾ったり、野良猫を追い掛けたりするだけだったけど、支援センターにいる時より娘はずっと楽しそうだった。私も楽しかった。
そうこうしているうちに娘の足取りがしっかりしてきたので、公園にも行ってみることにした。小心者の私はママグループの目が気になるので、まだ誰もいない早い時間に出かけた。貸し切り状態の公園で娘は思う存分歩き回り、大好きな滑り台を私のお尻が擦り切れそうになるほど滑った。
楽しくて毎日時間が経つのが早かった。「幼稚園に入れば友だちはできるだろうし、今は2人で楽しく遊べればいいや」と思うようになっていった。

同じアパートのご近所さんに声をかけてもらったのは、そんな矢先のことだった。
娘と誕生日が一週間違いの男の子とお姉ちゃんに、人懐っこい男の子2人兄弟。最初は人見知りで私の陰に隠れていた娘が、同い年の子と拙いやり取りをしたり、優しいお兄ちゃんお姉ちゃんに構ったりしてもらっているうちに、少しずつお友だちがいるその場所を楽しめるようになってきた。
私もお母さんたちと他愛もない話をするようになった。今のアパートに越してきて2年。今時の希薄な近所付き合いにずっと警戒的だっただけに、こんな古き良きご近所付き合いができることが嬉しかった。外遊びしなければ、こんなかわいい子と親切なお母さんたちが同じアパートに住んでいることをずっと知らないままだった。

それにしても、あのモンママとのいざこざから、2年越しの近所付き合いに繋がるとは。合縁奇縁てこういうことか、と思った。

それこそ子どもの頃、友だちはいつの間にかできているものだった。ただ同じ場所で遊んで、またねって約束を繰り返して。実際私にもそれだけで30年近く続いている幼馴染がいる。“何となく”馬が合うとか、“なぜか”続くっていうのがまさに縁なんだろう。

娘もちゃんと自分でお友だちを見つけた。最近では公園でも顔見知りができて、毎日の外遊びは娘の日課になり、お友だちがいることが娘の日常になった。
子どもってすごい。
そして、人見知り母ちゃんの世界を広げてくれたのも娘だった。
子どもってすごい!