こじらせ母の育児と育自

高齢出産のち、2歳差姉弟の育児。

寝ない子

「新生児期の赤ちゃんは1日の大半を寝て過ごします」とか「赤ちゃんがお昼寝している時にママも一緒にお昼寝しましょう」とか。育児本やネットの情報はすべての子がそうであるかのように言う。けれど、少なくとも私にとってはそんなものは都市伝説でしかなかった。
娘はとにかく寝ない子だった。

背中スイッチ標準装備。オプションに寝てもきっちり30分で起きる高性能タイマー搭載のハイスペック。
新生児期の睡眠時間は16〜18時間。20時間近く寝る子もいるとも言われている中、娘は10時間程度だった。布団での睡眠時間だともっと短い。ゆらゆら横揺れ振り子より小刻みな縦揺れスクワットがお気に入りで、あっという間に膝は関節痛、グラグラの首を支え続ける左手は腱鞘炎になった。
寝かし付けているうちに次の授乳時間が来るから休む間なんてない。泣く、おっぱい、泣く、抱っこ、泣く…のサイクルを何度も繰り返し、布団で寝てくれるのは日に一度あるかないか。一緒にお昼寝なんて娘が生まれてから数える程度しかしたことがなかった。

「退院したばかりで環境が変わって落ち着かないだけ。すぐに慣れるよね」と産後ハイで無我夢中の1週間。「来週には落ち着くよね」と騙し騙しで乗り切って2週間。「この子全然寝ない…」という事実にとうとう目を瞑れなくなってしまって3週間。里帰りしなかったので育児だけじゃなく、家事もこなさなければならない。そこへ連日連夜の寝不足スクワットは育児というより何かの修行をしているようだった。

休日は夫がいてくれるので何とかなったけど、平日はひとり。生後1ヶ月ちょうどの日、ついに限界突破した。私は泣きながら実家の母に電話で助けを求めた。その日はたまたま母の誕生日だったのだけど、「おめでとう」より先に出たのは「もう無理…」という言葉だった。